彼らは何者?どこまでゆくつもりなんだ?遂に集った天使なのか、世界を呑み込む化け物なのか。ありがとう、わたしも今日からトラジャの女
わたしはバンドが好きだ。青春をかけて汗だくになって演奏する彼ら彼女らを追いかけ、CDを買い、ライブに参戦し、タオルをブンブン振り回す。毎週のように日タグ*1を投稿したりと邦ロック勢としての日常を楽しんでいた。 この頃の私にとってジャニーズタレントは全くノーマーク。中学の友達が強火とびっ子ちゃんで、ジャニーズ専門の雑誌があること、女装すること、コンサートではタオルではなくうちわを振ること、同担拒否*2という言葉などについて、へ〜〜〜と別世界の話の気分で聞いていた。
ジャニーズ、顔はかっこいいけど歌もダンスもイマイチだし、何より、、、、
曲がダサい!!!!!!
これがとにかく総意。 その後もどんどんエモを求めて、よりアングラ寄りな洋楽風シティーポップや個性的な歌ものバンドを発掘することに夢中になります。唸りたくなるような転調や変則リズム、言葉遊びのような難解な歌詞が何より大切で、ポップは死!!!大衆受けの四つ打ちを許すな!!!!と訳の分からない方向に過激になっていました*3。
そんな時に飛び込んだ、King & Princeのデビュー速報。初披露のシンデレラガールに「いい曲では……?そして顔がいい」と少しずつ調べ始めた私。そして『お誕生日おめでとうございます!先輩の好きな岸くんですよ!』というメッセージとともに渡された岸優太の写真を見つめながら、そっか…わたしって岸担だったんだ……と謎の自覚が芽生えていきます(我ながらどゆこと?)。
受験を見据えてライブと追っかけを封じ、新居購入で揉める家族に辟易していた当時のわたしは、平たく言ってしまえば手っ取り早く"夢"を見たかったのです。彼らならきっと見せてくれる、そう感じた私は「バンドや俳優を押しのけて生半可にテレビに出やがって…」というジャニタレへのとんだ偏見を抱えたまま、唐突にジャニヲタへの道を歩み出すこととなった。
そして…ごめんなさい!脱帽!!サイコ〜でした。 彼らのビジュアルや歌唱力、ダンス、活動へのまっすぐさといったひとつひとつのクオリティと意識の高さは、そんな偏見をたやすく吹っ飛ばしてくれた。毎日のような初めてとの出会いが楽しくて「こんなおもろい世界あったのか…」とすぐに1つの居場所になった。バラエティやドラマ、雑誌に映画と目まぐるしく活動する姿を、時に体を心配しながら、ささやかながら応援する日々。楽しくて特別な時間。それでもなぜだか楽しみに手に入れたはずのCDは回らなくて、「ん〜〜まぁ目で楽しむものだし」なんてどこかでラインを引いている、そんな自分もなんとなく寂しかった。
そんな時に出会ったのがこの動画の『夢のHollywood』だった。
きっかけは友達が「しめちゃん……しめちゃんのお顔…」と呪文のように呟いていたことから(マジでありがとう)。 ダダッダッダーッダッ…とイントロが流れた瞬間、何かに引っ張られたような気がした。待ってこれ、好きだぞ… そして…「Travis Japanでえェす!!」と飛び出したオールバックのこの人は……『宮にぃ』????あの!?歳も歴も下なのに岸くんが兄呼びする!?岩橋さんにほっぺを遊ばれてニコニコふにゃふにゃしてた!?!?
――という勝手な宮近ショックから抜け出せないまま始まったパフォーマンス。ジャニーズで、この曲調に…このダンス??頭を殴られたような衝撃だった。煌びやかながら嫌味のない、ジャズの香りのするサウンド。アイドルっぽさとミュージカル感が中和したような独特の声のバランス。単調にも複雑すぎにも振り切らない、絶妙な抜け感を残すメロディラインと歌詞。*4豪華ではないが、ライトを反射して玉虫色に艷めく衣装。それら一つ一つを、造り上げられたフォーメーションダンスが1つの作品として纏めあげていて。それはキレとかタイミング、みたいな無骨な言葉では言い表せないたぐいの生命力を放つもので、人が、それもアイドルが歌い踊るのを見て『芸術だ』と思ったのは初めてだった。
音楽が流れて動き出せば周囲を圧巻し、毅然たる騎士団のような力強さでステージを造り上げてしまう。万華鏡の様に綺麗なまま移ろう表情に、重力を忘れる身のこなし。ステージを降りれば、眩さと懐かしさと幻影と幼稚園とが不思議に共存する、最高のエンターテイナーがここにいた。
そして令和2年6月現在、完全にわたしは「できあがって」いる。これはもう骨抜きだ。ちょっとの理不尽も「まぁうちの推しはanan重版させてるので…」で微笑めるし「は?わたしはトラジャの女だが」で戦える。「木曜日」の表示を見ただけで、身体がふわっと温みだす。なんだこの世界、奥が深すぎる。底が見えない。まだ妹くらいにしかしていないが、声を大にして言いたい。
トラビスジャパンはいいぞ!!本当に!!!!見てくれ!!ライブ映像にダンス動画、続いて隔週YouTube…。*5寝起きドッキリや修学旅行、鬼ごっこ回なんかがトラビス・最高・たのしい・ジャパンです。ありがとう!!!!
もうすぐ行けるだろうか、ラババンでなくペンライト、タオルでなくうちわが並ぶあの世界に。ステージが光ったり回ったりする世界。ファンサをする姿に死にそうになったりする世界。まだ思い描くだけだけれど、どれも楽しみだ。
わたしが見たいのは夢でも魔法でもなく、Travis Japanという最強の主人公たちが紡ぐミュージカルの第3幕。ステージライトの下に佇むその姿
見てほしいよのダンス
ジャニーズお約束自己紹介ソング(生音)
真骨頂
Travis Japan「夢のHollywood(アンコール)」(「ジャニーズJr.祭り2018」単独LIVE in 横浜アリーナ) - YouTube