あの人は推しに似ている

2021.1のログ、追記を加えて。

 

最近、密かにバイト先の先輩にメロっている。シフトが被る日は念入りにメイクしちゃうし、話すときは心なしか声が上ずってしまうし、からきしできないスノボにだって会いたい一心で飛び入り参加した。けれど、絶対に「好きな人」と形容しないよう心がけている。というのも、時折先輩が推し(自担)にどこか似た印象を受けることが気にかかっているからだ。そういう眼差しは好きではない。

 

どこが、というはっきりした何かがある訳ではない。う〜ん……お顔?違うかなぁ。強いて言うならば柔らかく愛らしい印象だろうか。

 

そもそもきっかけは何だったんだろうか。一目惚れ、に近いのかもしれない。初出勤日に挨拶した時にぼんやりとお顔と話し方が可愛らしい人だなぁと浮かんだことを覚えている。パンのこね方を教えてくれたのも先輩だっけ。

 

一緒に行ったゲレンデの輝きをまだ昨日のことのように覚えている。好きな曲が流れるとつい速度が上がってしまう運転も、本当にどん臭く永遠と転び続けるド初心者の私に笑いながら手を差し伸べてくれる姿もすべてが眩しくて、なぜか泣きそうになった。あぁきっと、この瞳の真ん中に映るのは、隣を歩くのは私ではないし、そうであってはいけないんだろうなという理解を全身で得てしまったから。このキラキラした感情は輝いたまま思い出の中に閉じ込めて、明日からまたわたしを生きていこう。向かいの席で夕食を頬張るマスクの下の顔をぼんやりと眺めながら、心の中でそう呟いた。

 

これが恋だったのかは分からないし、何も始まらず残りもしなかったけど、あの気持ちはすごく大切だったなと思う。

あれから背伸びしないままの自分を抱き締めてくれる優しい人を好きになって、今わたし、すごく幸せです。あなたの幸せも、ひっそりずっと願っています。

ではでは、さよなら。お元気で